調剤薬局

ドラッグストア

■クオール

クオールはクオール株式会社が運営する調剤薬局チェーンです。クオールグループとして規模の拡大を続けており、全国に534店舗(2014年9月)を展開しています。1000店舗体制を築くために、近年でも子会社化をして出展エリアを広げる動きが目立っています。ローソンとも業務提携をしており、コンビニエンスストア併設型調剤薬局なども手がけています。異業種との業務提携を積極的に行って、新しい薬局の形を模索されているようです。

事業は調剤をメインとしていますが、クオールグループとしてはその他にも、CSO事業、治験事業、出版関連事業を行っています。CSO事業は、製薬企業との契約により営業・マーケティング活動を受託または代行して、医薬品の販売活動をサポートするものです。薬品販売のノウハウを製薬会社に提供しているのですね。クオール株式会社単体で見ると調剤のみの企業となりますが、グループとしてどういう方向に動いているのかもチェックはしておきましょう。

メインの調剤事業では、医療機関と1対1の信頼関係に基づくマンツーマン出店を基本としています。これは非常に丁寧な出店方法ですね。医療機関との連携重視のスタンスが垣間見えます。こうすることによって、医師と薬剤師のつながりを深めることで、お客様との信頼関係をつくっているのですね。お客目線で考えるならば、医師と薬剤師の連携がとれているというのはありがたいことです。信頼した医師と薬剤師に見てもらいたいですからね。また、この出店方式には、最新情報のいち早い取得による適正在庫管理の実現など、効率を高める効果もあるようです。

その他、ITの活用もすすんでおり、「処方せん送信アプリ」というサービスも提供しています。これはクオールグループのかかりつけ薬局に処方せんを送信すると、お薬の出来上がる時間が来店前にわかるというもので、お客様の待ち時間を短縮させるものです。新しい技術にも対応をしていく姿勢、経営努力をされているのだと感じますね。

薬剤師の採用は、正社員とパートで行われています。中途採用は、各店舗ごとに募集がかかっていますので、店舗の情報を確認してみてください。新卒は、全国コース、広域コース、地域限定コースの3つのコースを選ぶ形になります。それぞれ給与面で若干の差があり、全国コースは地域限定コースより1割弱月給が高く設定されています。

業務内容は、保険調剤、薬歴管理、服薬指導、在庫管理、レセプト業務(最終チェック)など、一般的な調剤薬局をイメージしていただければいいでしょう。他の薬局同様ですが、お客様とのコミュニケーションは大切になってきます。「医療人の一員であり、地域社会の一員である」という自覚を持って、地域の人との信頼関係を築いていく必要があります。

給料・年収

正社員の想定年収は400〜700万円程度、新卒年収は400万円程度です。勤務地域を限定する地域限定コースは、全国転勤をする全国コースに比べて給与が1割程度低くなります。その他、カフェテリアプラン、退職金制度、従業員持株会制度、財形貯蓄制度、育児短時間勤務制度、法人契約保養施設、東京ディズニーリゾート優待、EAP(Employee Assistance Program)、産業医・健康管理室(保健師)による健康チェックなど福利厚生も充実しています。

パート・アルバイトの場合は時給1700〜2500円前後となります。

勤務時間

店舗の営業時間に合わせて週40時間シフト制です。(4週8休制)

クオールでのキャリア

薬剤師としての専門性を高めるエキスパートコースと、変化する時代の流れに合わせて薬局を運営・管理するマネジメントコースがあります。エキスパートコースでは、薬剤師の研修企画や、講師として指導育成にあたる機会もあるようです。コースは入社後に選べますし、相互に行き来もできるものですので、入社前から考えておく必要はないでしょう。

社員教育・研修制度

コミュニケーションスキルの研修などの一般的なものから、処方せん解析など薬剤師の専門的なものまで多彩な研修プログラムが用意されています。また、中途入社向けの研修も用意されていますので、ブランクがある薬剤師の方でも安心して業務に取り組むことができます。

クオールの特徴

医療人の一員として、薬という強みを活かしながら様々な分野と連携をとっていくことで新しいサービスを生み出している調剤薬局です。コンビニエンスストアとの業務提携など、時代のニーズに合っている展開をしているのではないかと感じました。医療機関と1対1での出店も特徴的ですね。医師との密なコミュニケーションは薬剤師にとっても貴重な経験になることでしょう。

薬を起点に、さまざまな人とつながって新しい発想を生んでいく楽しみがある企業だとは思います。ただし、そういった業務に携われるまでには社内でキャリアを積まなければならないということも考えておきましょう。教育制度は充実していますので、経験さえ積めば、医療人として医師と対等に話し合える薬剤師になれる環境があるのではないでしょうか。